文芸雑誌「緑の日」のキャッチコピーは「ひみつきち、つくりました」。

日々をえづきながら暮らす私たちは、文芸という非日常への非常口によって日常を脱出します。印刷された文章/絵/写真は、まるで紙から跳びあがる蚤のように、わたしたちを日常という現実からジャンプさせます。すぐに着地してしまうのだとしても。

けれども私たちはすぐに気づきます。その非日常でさえ日常と地続きなのであり、私たちは現実に晒し続けられたままでしかないのだと。ここはきららかな牢獄です。

閉じこめられて、私たちはせめて隠れ家を作ります。

それを大人の秘密基地と呼ぶことにしました。どこか後ろめたい魅力をもつ場所です。私たちはこっそり日々に背を向けます。でも、秘密基地はひとりでは遊べないものです。だから私たちが築いたそれを、そっとあなたにも差し出しましょう。

We hope we can raise green plants in this cruel world called a prismatic prison.

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